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日本のメディアが伝えない北方領土の現状

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 11月20日の日ロ首脳会談直後の安倍総理やプーチン大統領の発言を見ると、どうも北方領土問題は日本にとって厳しい状況に陥っているようですね。
 
 思い起こせば、9月2日、安倍総理はロシアでの首脳会談後、記者団に対して「手応えを強く感じることができた」と前向きな発言をしていました。

 プーチン大統領も「問題解決の適切な環境をつくることが重要」と述べ、決して後ろ向きではありませんでした。

 それもあって、日本では、「12月15日の山口県での日ロ首脳会談で一定の成果が出るのではないか」「少なくとも歯舞・色丹の二島は返ってくるのではないか」といった、楽観的な報道がなされてきました。

 それが一転、今回の会談後、安倍総理は「平和条約はそう簡単な課題ではない。一歩一歩進んでいかねばならない」と慎重な言い回しに変化。

 プーチン大統領も、歯舞・色丹の二島引き渡しを明記した1956年の日ソ共同宣言には「どのような根拠で、誰の主権の下に置かれ、どのような条件で返還するか書かれていない」と指摘。

 四島どころか二島すら返すつもりはないと言っているように聞こえますが、こうした発言は、日本での楽観的な報道を牽制する意味合いもあったとされていますね。

 さらに、会談から2日後の11月22日には、国後島と択捉島に地対艦ミサイルが配備されたという報道がありました(ロシア軍機関紙の報道としてインタファクス通信が伝えた)。

 年内に配備することは、3月の時点ですでに明らかにされていたそうですが、しかし、このタイミングで公表したというのは、やはり来月の会談を控え、「そちらの思うようにはいかないよ」と釘を刺す狙いだったのでしょうか。

 となると、11月20日の会談で具体的に何が話し合われたのかが、なおさら気になってきますね。

 11月21日の「虎ノ門ニュース」で青山繁晴さんが「僕のルートで確認した」として語ったところによれば、プーチン大統領は厳しい国内事情(岩盤の支持層である既得権益団体に配慮が必要であること)を安倍総理に説明し、四島はロシアのものであるとした上で、共同経済開発を持ち出したということでしたが…。


 この話はひとまず置いといて…

 皆様よくご存知の通り、北方領土は戦後70年以上にわたり、ロシアが不法占拠しています。

 その間、実効支配が進み、定住ロシア人もどんどん増え、もはや返還は難しいのではないかと、私たちは考えがちですよね。

 テレビの報道番組などで流れる北方四島の映像、たとえば街並みとか、ロシア島民のインタビューなどを見ても、そんな気がしてしまいます。

 でも、実際はかなり違っているみたいですよ。

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 東海大学海洋学部教授の山田吉彦さんが、「WiLL」2016年12月号に、【この目で見てきた北方領土の現実】と題した論説を寄稿されています。

 これを読んで、目から鱗でした。少なくとも私は。

 山田さんは2006年に択捉島と国後島を訪問して以降、学術研究者として返還運動に携わり、今年7月までに6度、北方四島に足を踏み入れ、その変遷を確認してこられました。

 その山田さん曰く…

「日本のメディアで伝えられるのは、取材を許可するロシア側によって意図的に作られた北方四島の姿であり、必ずしも実態を表していない」

 どういうことなのか。

 山田さんの報告を箇条書きにしてみます。


●ロシアが国家予算を投入して大規模な開発を行っていると報道されるが、その実際の金額は07年から15年までの9年間に約500億円。この金額で2カ所の国際空港、3カ所の港湾、学校、病院、発電所、道路建設、水道等を建設することは不可能。

●国後島は新規の建設が多いというが、2015年に新築された総床面積は7600平方メートル程度で、東京駅の丸ノ内駅舎の3割程度にしか過ぎない。

●北方四島をビザなし交流で訪問した人の多くは「北方四島はすでにロシア化されている」というが、およそ70年も実効支配され、ロシア系住民しか存在せず、ロシア政府が行政権を握っているのだから、社会や文化がロシア化するのも当然。見方を変えると、日本に返還されれば時間が経過するとともに現代の日本社会に同化するだけ。

●北方四島にはすでに3代にわたって定着し、生活を営むロシア系住民がいる。その処遇について心配する人もいるが、現在、北方四島で暮らす約1万7000人のうち、返還後も定住を希望するロシア人は1割程度であろう。また、その中には親日派も多く含まれ、日本人との共生も不可能ではない。

●国後島にはロシア正教の教会があるが、7000人を超える島の人口のうち、キリスト教コミュニティの中心である教会の信徒は70人ほどで、ミサに訪れるのは40人程度だと、この教会の神父は話していた。

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[国後島の教会。佐藤正久参議院議員のツイッターより]

●北方四島の労働者の賃金はロシア本土の約1.8倍であり、年金も働いた年月の2倍が換算される。年金は30年分が上限であるため、15年働くと満額の年金資格が得られる。そのため、20歳代で島に働きに来た人々は40歳前後で島を離れてしまうため、30代後半から40代の人口が減少している。

●島には日本の小、中、高校に相当する11年制の学校しかないため、17歳になるとほとんどの子供が島を離れてしまう。その時、親も島を離れることが多い。一度、島を離れた子供たちは都市での生活を選択し、島に戻るのは稀。日本の離島問題、過疎化問題と同様。違うのは、政策的に高賃金で若年労働力を導入しているので、高齢者問題は少ない。

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 北方四島はそれぞれの開発情況、管理形態に違いがあるそうです。

  色丹島・歯舞群島=すぐにでも返還交渉が進められる
  国後島=交渉次第では返還することも考慮される
  択捉島=返還が難しい

●択捉島
 サハリン州最大規模の水産加工業を中心とする「ギドロストロイ社」の王国と言われ、約7000人の人口が維持されている。
 島の開発に関する国費の多くは、ギドロストロイ社の関連企業に落とされているうえに、金融、労働力、交通などが同社系列企業で占められ、このグループの中でお金が回っている。
 企業化され、市場経済化しているため土地の私有も進んでいる。
 また、ギドロストロイ社の経営者であるベルホフスキー氏は、ロシア連邦議会のサハリン州選出の上院議員でもあり、利権も絡んで政治、経済の両面から択捉島支配体制を確立している。

●国後島
 産業らしいものはなく、小規模な水産加工工場があるものの、その経営実態は定かではない。
 3年前に(山田さんが)訪問した際、観光業を島の主要産業にするとの説明を受けたが、2015年に訪れた観光客は約1300人で、産業といえる規模ではない。
 公共投資においても、一見、道路舗装工事が進められているように見えるが、基礎工事、排水工事が施されていないため、舗装後、1年から2年の道路でも歪みが激しく、路肩も崩落し、長期利用を想定したものではない。見せかけだけのもの。
 建物は3階建て以上は存在せず、黄色、青などの原色に塗られた建物の多くは、木造の骨組みにパネルの側壁を張るだけの工法。
 ロシア政府は、2016年から10年の計画で600億円相当の予算を計上し、クリル社会経済発展計画の継続を公表しているが、過去の実績から鑑みると、予算が全額執行される可能性は少ない。

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[国後島の建物。佐藤正久参議院議員のツイッターより。佐藤さんは山田さんと違い、かなり悲観的のようです]

●色丹島
 小高い丘陵が続く風光明媚な島だが、国境警備隊の拠点形成が目についた。
 水産加工工場を中心に、一般人が950人ほど暮らす「穴澗(あなま)」と、国境警備隊を中心に町が形成されている人口約1850人の「斜古丹(しゃこたん)」の2つの町がある。「斜古丹」で暮らすほとんどの人が国境警備隊関係者。
 斜古丹港の国境警備隊の基地には、350総トンほどの新型の警備船が3隻、500総トンほどの漁業取締船型の警備船が1隻、小型の警備艇が2隻、いつでも出動できる態勢で係留されていた。この陣容は、海上保安庁根室海上保安部の陣容とほぼ同等。
 筆者(山田さん)が4年前に行った時より、桟橋と隊員宿舎の整備が進み、国境警備隊の拠点が完成されていた。


 この後、なぜ色丹島の国境警備隊が重要なのか?の説明がありますが、省略。

 なお、歯舞群島には国境警備隊員以外に定住者はいないそうです(wikipediaによる)。


 山田さんは、ロシアにとって北方領土返還の障壁になっているのは、安全保障問題であると指摘されています。

 東西冷戦は遠い昔の話になり、北海道への侵略を狙う必要もなくなった。
 むしろミサイル戦略の時代となり、無益な軍派遣のコストは削減したいところだろうと。

 しかし、返還した島に日本やアメリカの戦略拠点が築かれては困るし、潜水艦航路である国後水道を確保しなければならない。

 そこでロシアは、色丹島斜古丹の国境警備隊の基地をはじめとした国境警備隊の施設を北方四島に残し、周辺海域の安全確保と海難事故対応の業務を海上保安庁と協力して遂行していくことを目指しているとのこと。


 そこで山田さんのプランは、

●北方四島に残る国境警備隊とロシア系住民の存在に触れ、「日ロ地位協定」を検討する必要があろう。軍ではなく、海上保安庁と国境警備隊の共同基地への配備も一案である。

●国後水道の確保とロシア企業による権益のため、択捉島の返還は容易でないので、まずは、第二次世界大戦以前の帰属と主権の確認をとったのち、国後島、色丹島、歯舞群島の施政権の返還を求める。

●択捉島は経済特区として日本企業、ロシア企業が連携し、経済的な融和を図り、日本人が自由に行ける島とし、返還は継続協議とする。


 これが実現可能なものなのかどうか、素人の私には分かりません。

 ただ、軍同士(自衛隊とロシア軍)が組むようなことは、絶対に避けなければならないことは理解できます。

 ま、そんなことはアメリカがそもそも許さないでしょうけど。
 たとえトランプさんでも。


 安全保障問題については、青山繁晴さんも10月31日「虎ノ門ニュース」で問題提起されていました。

 「日本政府が返還後の北方領土に関し、日米安全保障条約の適用対象外とする案を検討していることが分かった」というニュースを先月、一部メディアが報道したことを受けてのものでした。

 青山さん曰く、

「簡単に言うと、日本の領土の中に、日米安保条約で守る所と守らない所があると。
 ひと言で言うと、誰が考えても、むちゃらくちゃら」

「たとえば東京は日米安保条約で守る。
 そして北方領土がもし返還されて、島民の方々が戻られてそこに住まれた場合、日米安保条約は適用しない。
 じゃあどうするのか?
 日本国憲法は適用するんですよね?
 そうすると武力の行使も、威嚇も、陸海空軍の保持も、その他の戦力の保持も、国の交戦権も認めないと。
 でもアメリカ軍に守ってもらうのもやめますと。
 じゃあどうするんですか?
 答えは1つしかない。
 ロシア軍に守ってもらうことになるでしょ

 “日米安全保障条約の適用対象外とする案の検討”について、もちろん安倍総理は、報道があった当日に国会で「そのような事実は一切ない」と否定しています。


 安全保障との兼ね合いもあるし、難しい問題なのは分かりますが、一国民としては、来月の山口県での首脳会談で、少しでも進展することを願うばかりです。

 何をもって進展と言うのか、判断は人によって分かれるでしょうが。
 四島一括返還論、二島先行返還論、面積二等分案などいろいろありますから。

 とにかく年月が経てば経つほど日本にとって不利になるだろうし、今回の会談で最低限、道筋をつけてほしいというのが、島民だけでなく日本国民全体の切なる願いでしょう。

 が、私たちが焦ればロシア側がつけ込む隙にもなるわけで…。

 少なくとも、領土問題は進展なしで経済協力だけが先行するような、ロシア側の「食い逃げ」になるようなことだけは避けていただきたいものです。



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