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安倍総理の戦後70年談話はよく練られていると思う

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 政府は8月14日、臨時閣議を開き、戦後70年の安倍首相談話を決定しました。

 長くなりますが保存も兼ねて、談話と質疑応答を全文引用。
 自分なりにポイントだと思った箇所は強調しています。
 
平成27年8月14日 内閣総理大臣談話(首相官邸HP)
 終戦七十年を迎えるにあたり、先の大戦への道のり、戦後の歩み、二十世紀という時代を、私たちは、心静かに振り返り、その歴史の教訓の中から、未来への知恵を学ばなければならないと考えます。

 百年以上前の世界には、西洋諸国を中心とした国々の広大な植民地が、広がっていました。圧倒的な技術優位を背景に、植民地支配の波は、十九世紀、アジアにも押し寄せました。その危機感が、日本にとって、近代化の原動力となったことは、間違いありません。アジアで最初に立憲政治を打ち立て、独立を守り抜きました。日露戦争は、植民地支配のもとにあった、多くのアジアやアフリカの人々を勇気づけました。

 世界を巻き込んだ第一次世界大戦を経て、民族自決の動きが広がり、それまでの植民地化にブレーキがかかりました。この戦争は、一千万人もの戦死者を出す、悲惨な戦争でありました。人々は「平和」を強く願い、国際連盟を創設し、不戦条約を生み出しました。戦争自体を違法化する、新たな国際社会の潮流が生まれました。

 当初は、日本も足並みを揃えました。しかし、世界恐慌が発生し、欧米諸国が、植民地経済を巻き込んだ、経済のブロック化を進めると、日本経済は大きな打撃を受けました。その中で日本は、孤立感を深め、外交的、経済的な行き詰まりを、力の行使によって解決しようと試みました。国内の政治システムは、その歯止めたりえなかった。こうして、日本は、世界の大勢を見失っていきました。

 満州事変、そして国際連盟からの脱退。日本は、次第に、国際社会が壮絶な犠牲の上に築こうとした「新しい国際秩序」への「挑戦者」となっていった。進むべき針路を誤り、戦争への道を進んで行きました。

 そして七十年前。日本は、敗戦しました。

 戦後七十年にあたり、国内外に斃れたすべての人々の命の前に、深く頭を垂れ、痛惜の念を表すとともに、永劫の、哀悼の誠を捧げます。

 先の大戦では、三百万余の同胞の命が失われました。祖国の行く末を案じ、家族の幸せを願いながら、戦陣に散った方々。終戦後、酷寒の、あるいは灼熱の、遠い異郷の地にあって、飢えや病に苦しみ、亡くなられた方々。広島や長崎での原爆投下、東京をはじめ各都市での爆撃、沖縄における地上戦などによって、たくさんの市井の人々が、無残にも犠牲となりました。

 戦火を交えた国々でも、将来ある若者たちの命が、数知れず失われました。中国、東南アジア、太平洋の島々など、戦場となった地域では、戦闘のみならず、食糧難などにより、多くの無辜の民が苦しみ、犠牲となりました。戦場の陰には、深く名誉と尊厳を傷つけられた女性たちがいたことも、忘れてはなりません。

 何の罪もない人々に、計り知れない損害と苦痛を、我が国が与えた事実。歴史とは実に取り返しのつかない、苛烈なものです。一人ひとりに、それぞれの人生があり、夢があり、愛する家族があった。この当然の事実をかみしめる時、今なお、言葉を失い、ただただ、断腸の念を禁じ得ません。

 これほどまでの尊い犠牲の上に、現在の平和がある。これが、戦後日本の原点であります。

 二度と戦争の惨禍を繰り返してはならない。

 事変、侵略、戦争。いかなる武力の威嚇や行使も、国際紛争を解決する手段としては、もう二度と用いてはならない。植民地支配から永遠に訣別し、すべての民族の自決の権利が尊重される世界にしなければならない。

 先の大戦への深い悔悟の念と共に、我が国は、そう誓いました。自由で民主的な国を創り上げ、法の支配を重んじ、ひたすら不戦の誓いを堅持してまいりました。七十年間に及ぶ平和国家としての歩みに、私たちは、静かな誇りを抱きながら、この不動の方針を、これからも貫いてまいります。

 我が国は、先の大戦における行いについて、繰り返し、痛切な反省と心からのお詫びの気持ちを表明してきました。その思いを実際の行動で示すため、インドネシア、フィリピンはじめ東南アジアの国々、台湾、韓国、中国など、隣人であるアジアの人々が歩んできた苦難の歴史を胸に刻み、戦後一貫して、その平和と繁栄のために力を尽くしてきました。

 こうした歴代内閣の立場は、今後も、揺るぎないものであります。

 ただ、私たちがいかなる努力を尽くそうとも、家族を失った方々の悲しみ、戦禍によって塗炭の苦しみを味わった人々の辛い記憶は、これからも、決して癒えることはないでしょう。

 ですから、私たちは、心に留めなければなりません。

 戦後、六百万人を超える引揚者が、アジア太平洋の各地から無事帰還でき、日本再建の原動力となった事実を。中国に置き去りにされた三千人近い日本人の子どもたちが、無事成長し、再び祖国の土を踏むことができた事実を。米国や英国、オランダ、豪州などの元捕虜の皆さんが、長年にわたり、日本を訪れ、互いの戦死者のために慰霊を続けてくれている事実を。

 戦争の苦痛を嘗め尽くした中国人の皆さんや、日本軍によって耐え難い苦痛を受けた元捕虜の皆さんが、それほど寛容であるためには、どれほどの心の葛藤があり、いかほどの努力が必要であったか。

 そのことに、私たちは、思いを致さなければなりません。

 寛容の心によって、日本は、戦後、国際社会に復帰することができました。戦後七十年のこの機にあたり、我が国は、和解のために力を尽くしてくださった、すべての国々、すべての方々に、心からの感謝の気持ちを表したいと思います。

 日本では、戦後生まれの世代が、今や、人口の八割を超えています。あの戦争には何ら関わりのない、私たちの子や孫、そしてその先の世代の子どもたちに、謝罪を続ける宿命を背負わせてはなりません。

 しかし、それでもなお、私たち日本人は、世代を超えて、過去の歴史に真正面から向き合わなければなりません。謙虚な気持ちで、過去を受け継ぎ、未来へと引き渡す責任があります。

 私たちの親、そのまた親の世代が、戦後の焼け野原、貧しさのどん底の中で、命をつなぐことができた。そして、現在の私たちの世代、さらに次の世代へと、未来をつないでいくことができる。それは、先人たちのたゆまぬ努力と共に、敵として熾烈に戦った、米国、豪州、欧州諸国をはじめ、本当にたくさんの国々から、恩讐を越えて、善意と支援の手が差しのべられたおかげであります。

 そのことを、私たちは、未来へと語り継いでいかなければならない。歴史の教訓を深く胸に刻み、より良い未来を切り拓いていく、アジア、そして世界の平和と繁栄に力を尽くす。その大きな責任があります。

 私たちは、自らの行き詰まりを力によって打開しようとした過去を、この胸に刻み続けます。だからこそ、我が国は、いかなる紛争も、法の支配を尊重し、力の行使ではなく、平和的・外交的に解決すべきである。この原則を、これからも堅く守り、世界の国々にも働きかけてまいります。唯一の戦争被爆国として、核兵器の不拡散と究極の廃絶を目指し、国際社会でその責任を果たしてまいります。

 私たちは、二十世紀において、戦時下、多くの女性たちの尊厳や名誉が深く傷つけられた過去を、この胸に刻み続けます。だからこそ、我が国は、そうした女性たちの心に、常に寄り添う国でありたい。二十一世紀こそ、女性の人権が傷つけられることのない世紀とするため、世界をリードしてまいります。

 私たちは、経済のブロック化が紛争の芽を育てた過去を、この胸に刻み続けます。だからこそ、我が国は、いかなる国の恣意にも左右されない、自由で、公正で、開かれた国際経済システムを発展させ、途上国支援を強化し、世界の更なる繁栄を牽引してまいります。繁栄こそ、平和の礎です。暴力の温床ともなる貧困に立ち向かい、世界のあらゆる人々に、医療と教育、自立の機会を提供するため、一層、力を尽くしてまいります。

 私たちは、国際秩序への挑戦者となってしまった過去を、この胸に刻み続けます。だからこそ、我が国は、自由、民主主義、人権といった基本的価値を揺るぎないものとして堅持し、その価値を共有する国々と手を携えて、「積極的平和主義」の旗を高く掲げ、世界の平和と繁栄にこれまで以上に貢献してまいります。

 終戦八十年、九十年、さらには百年に向けて、そのような日本を、国民の皆様と共に創り上げていく。その決意であります。

 平成二十七年八月十四日
 内閣総理大臣 安倍晋三

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戦後70年 安倍首相会見 質疑応答全文(NHK 8月14日 23時09分)
 ※メディア名はこちらで入れました。←後から記者名まで入った文字起こしを官邸HPに見つけたので、それを参考に修正しました。
Q(共同通信(幹事社)の杉田記者):総理は戦後70年談話について、世界に発信するものだと位置づけてきました。国内外に最も伝えたいメッセージは何でしょうか?。また、過去の村山談話や小泉談話と違う形で「お詫びの気持ち」や「侵略」の文言を入れた理由を聞かせてください。

A:戦後70年という大きな節目にあたり、先の大戦への道のり、戦後の歩み、20世紀という時代を大きく振り返りながら、その教訓を胸に刻み、戦後80年、90年、100年に向けて、どのような日本を作り上げていくのか、それを世界に向けて発信したいと考えました。

作成にあたっては、国民の皆さまと共に、日本が目指すべき国家像を描くという意味で、できるだけ多くの国民と共有できるような談話を作って、そう心がけました。より幅広い国民とメッセージを共有するという観点からは、一部だけを切り取って強調することよりも、談話全体としてのメッセージをご覧いただきたい、受け取っていただきたいと思います。

先の大戦における行いに対する「お詫びの気持ち」は、戦後の内閣が一貫して持ち続けてきたものであると考えています。そうした気持ちが、戦後50年においては村山談話という形で表明され、さらに60年を機に出された小泉談話においても、そのお詫びの気持ちは引き継がれてきたと考えています。こうした歴代内閣が表明した気持ちを私の内閣においても揺るぎないものとして、引き継いでいく、そして、おそらく今後の内閣においても、そのことを今回の談話の中で明確にしたところであります。

次に、「侵略」ということばについてでありますが、今回の談話は「21世紀構想懇談会」において、有識者の方々が共有した認識、その報告書のうえに立って作成したものであります。その報告書の中にもあるとおり、中には「侵略」と評価される行為もあったと思います。だからこそ、談話においては、事変、侵略、戦争といったことばをあげたうえで、事変、侵略、戦争ということばをあげながら、いかなる武力の威嚇や行使も国際紛争を解決する手段としては、もう二度と用いてはならないことを、先の大戦への深い悔悟の念とともに誓ったと表現しました。

先の大戦における日本の行いが「侵略」ということばの定義に当てはめればだめだが、当てはまらなければ許されるというものではありません。かつて、日本は世界の大勢を見失い、外交的、経済的な行き詰まりを力の行使によって打開し、あるいは、その勢力を拡大しようとしました。その事実を率直に反省し、これからも法の支配を尊重し、不戦の誓いを堅持して、ということが、今回の談話の最も重要なメッセージであると考えています。そのうえで、具体的に、どのような行為が「侵略」に当たるか否かについては、歴史家の議論に委ねるべきであると考えています。重要な点は、いかなる武力の威嚇や行使も、国際紛争を解決する手段としてはもう二度と用いてはならない、ということであります。これが、私たちが過去から学び、教訓とし、反省すべきことであると考えます。

Q(東京新聞(幹事社)の関口記者):総理は、2009年、月刊誌の対談で、村山談話について「政権が変わるたびに、その継承を迫られるようになるまさに踏み絵です。村山さんの個人的な歴史観にいつまでも日本が縛られることはない」と述べておられます。これらの発言と、今回の談話の整合性について分かりやすく説明してください。

A:村山談話につきましては、これまでも全体として引き継ぐと繰り返し、申し上げてきたとおりであります。同時に、私は、政治は歴史に対し謙虚であるべきであるとも申し上げてきました。その信念の下、今回の談話の作成にあたっては、「21世紀構想懇談会」を開き、学者、歴史家をはじめ、有識者の皆さんにお集まりをいただき、20世紀の世界と日本の歩みをどう捉えるか、大きく世界と時代を超えて俯瞰(ふかん)しながらご議論をいただきました。

視座や考え方が異なる有識者の皆さんが、最終的に一定の認識を共有できました。私は、この「21世紀構想懇談会」の報告書を歴史の声として受け止めたいと思います。そして、その報告書の上に立って、先の大戦への道のり、20世紀という時代を振り返りながら、その教訓を胸に刻んで、日本がどのような国を作り上げていくべきか、戦後70年の大きな節目にあたって、談話として取りまとめたものであります。
そのうえで、これからも果たして聞き漏らした声があるのではないか、ほかにもあるのではないかと、常に謙虚に歴史の声に耳を傾け、未来への知恵を学んでいく、そうした姿勢を持ち続けていきたいと考えています。

Q(産経新聞の阿比留瑠比記者):今回の談話には「未来の子どもたちに謝罪を続ける宿命を背負わせてはなりません」とある一方で、「世代を超えて過去の歴史に真正面から向き合わなければなりません」と書かれています。ドイツのワイツゼッカー大統領の有名な演説の「歴史から目をそらさないという一方で、みずからが手を下してはいない行為について、みずからの罪を告白することはできない」と述べたのに通じるものがあると思うのですが、総理の考えをお聞かせください。

A:戦後から70年が経過しました。あの戦争には、何ら関わりのない、私たちの子や孫、その先の世代、未来の子どもたちが、謝罪を続けなければいけないような状況そうした宿命を背負わせてはならない。これは、今を生きる私たちの世代の責任であると考えました。その思いを、談話の中にも盛り込んだところであります。

しかし、それでも、なお、私たち日本人は世代を超えて、過去の歴史に真正面から向き合わなければならないと考えます。まずは、何よりも、あの戦争のあと、敵であった日本に善意や支援の手を差し伸べ、国際社会に導いてくれた国々、その寛容な心に対して、感謝すべきであり、その感謝の気持ちは、世代を超えて忘れてはならないと考えています。同時に過去を反省すべきであります。歴史の教訓を、深く胸に刻み、よりよい未来を切り開いていく、アジア、そして、世界の平和と繁栄に力を尽くす、その大きな責任があると思っています。そうした思いについても、合わせて今回の談話に盛り込んだところであります。

Q(ブルームバーグニュースのイザベル・レイノルズ記者):ことし中に中国に訪問して習近平国家主席と3回目の首脳会談を行う可能性が高くなると思いますか。今のタイミングは、中国の経済後退が懸念されているところだが、その中での談話のインパクトが薄れる可能性があると思いますでしょうか。

A:中国の皆さんには、戦後70年にあたってのわが国の率直な気持ちをありのまま受け止めていただきたいと願っています。中国とは、習近平国家主席との2度にわたる首脳会談を通じて戦略的互恵関係の考え方に基づいて、関係を改善していくことで一致しています。日本と中国は、地域の平和と繁栄に対して、大きな責任を共有しています。両国の経済関係は非常に密接であり、今後もさまざまなレベルで対話を重ねながら、安定的な友好関係を発展させ、国際社会の期待に応えていきたいと思っておりますし、首脳会談についても、機会があれば、そういう機会を生かしていきたいと考えております。日本の対話のドアは常にオープンであります。

Q(ニコニコ動画の七尾記者):談話を踏まえ、安全保障関連法案についてお聞きします。改めて、法案に関します識者などのご発言を見ていきますと、その中の1つに、軍事を巡る中国の動向を、脅威と見るか見ないかで、安保法案に対するで賛否が分かれるといった傾向が見られます。こうした考えの隔たりは、国民も見ていると思うのですが、日本の安全保障上、このような大きな認識の違いをどうご覧になっているのでしょうか?

A:70年前、私たち日本人は、二度と戦争の惨禍を繰り返してはならないという不戦の誓いを立てました。この不戦の誓いは今後も決して変わることはありません。今回の平和安全法制は、戦争を未然に防ぐためのものであります。まずもって外交を通じて平和を守る、このことが重要であることは言うまでもないと思います。今後とも積極的な平和外交を展開してまいります。そのうえで、万が一への備えも怠ってはなりません。この法案は、国民の命、平和な暮らしを守り抜いていくためのものであります。もちろん、特定の国を想定したものではありません。今回の法制によって、日本が危険にさらされたときには、日米同盟が完全に機能する、このことを世界に発信することによって、紛争を未然に防ぐ力はさらに強くなっていく、高まっていく、日本が攻撃を受ける可能性はより低くなっていくというふうに考えています。国民の皆さまのご意見、ご批判にも真摯(しんし)に耳を傾けながら、この大切、必要な法制について、理解が深まるように今後も努力を重ねていく考えであります。

Q(日本テレビの竹内記者):歴史認識の問題など国民の間でも意見が分かれている部分があると思いますが、そういうなかで、この談話、あえて総理が込められた国民への思いとか、国民にどう受け取って欲しいかというメッセージはどういうところなんでしょうか。

A:まず、今回の談話においては、より多くの皆さまにご賛同していただけるものを作成していきたいとこのように考えました。そのうえにおいて、アジアの国々をはじめ多くの国々と共に、未来への夢を紡ぎ出していく、そういう基盤にしていきたいと考えたところであります。

今回の談話を作成するにあたりまして、国策を誤り、といった抽象的な用語に終わらせることなく、どのように針路を誤ったか、歴史の教訓を具体的にくみ取らなければならないと考えました。そして、「21世紀構想懇談会」を設けて、有識者の皆さんにその具体的な作業をお願いしたわけであります。世界に目を向ければ、残念ながら、いまだ紛争は絶えません。ウクライナ、南シナ海、東シナ海など世界のどこであろうとも、力による現状変更の試みは決して許すことはできない。また、貧困やテロの問題は深刻さを増している現実があります。そうした時代にあって、70年前の歴史から学べる教訓を発信していくことは、日本1国のみならず、世界に対しても大きな現代的な意義を持つと考えています。

 スクロールお疲れ様でした<(_ _)>

 中韓や国内のサヨクなど(あえて言えば強硬な保守も含め)「抵抗勢力」が多い中、よく練られた、なかなか良い談話だというのが私の印象です。


 いきなり脇道に逸れますが、大事なことなので先に紹介しとくと…

 1週間ぐらい前から、
 「談話に『お詫び』を盛り込む方向」
 「公明党に配慮したとみられる」
 という報道が複数出てきてましたよね。
 
 青山繁晴さんが8月13日(木)の「ザ・ボイス」で述べたところでは、「お詫び」などのキーワードが入ったことと、公明党は全く関係ないそうです。

 以下、青山さんのコメントまとめ。

・8月11日(火)に政権中枢の複数の人と個別に議論した。
・談話について、「安倍総理は『侵略』や『お詫び』という文言は入れないつもりだったが、公明党の山口代表に詰め寄られて入れることになった」というように報道されているが、政権側は全否定。
・実は相当前から今の内容でもう決まっていた。安倍総理の意志で中身を決めた。
・政権中枢側が言うには、報道はメディアの作ったストーリーで、「メディアが勝手にストーリーを作るのはいつものことだし、公明党の顔も立つからそれはそれでいい」と。
・また政権中枢側は、「青山さんが談話出すことに反対なのは分かっているが、安倍総理としては、それでも村山談話より公平なものを出せると思った。かなり長い文章になったが、格調の高いもので、日本だけが悪いというふうにはしていません」とも。


 発表された談話を見ると、なるほど、村山談話なんかに比べたらすごく格調高いし、日本だけが悪いというふうにもなってませんね。

 大方の報道どおり、中韓や日本の一部野党やサヨクが求めてきたキーワード「痛切な反省」「植民地支配」「お詫び」「侵略」が全て盛り込まれてしまったのは事実です。

 でも、村山談話小泉談話のようにそれが主体では決してなく、戦後、和解のために力を尽くしてくれた国々や人々への感謝、そして何よりも「未来志向」のメッセージが明確になっているのが良いと思いました。

 何よりもこの箇所が良かった。

あの戦争には何ら関わりのない、私たちの子や孫、そしてその先の世代の子どもたちに、謝罪を続ける宿命を背負わせてはなりません。

 安倍総理が談話で一番言いたかったことかもしれません。
 日本の誇りや名誉という面だけでなく、日中関係や日韓関係の改善のためにも、負の連鎖は断ち切らなければなりませんから。

 NHKのNW9(8月14日)に安倍総理が生出演しましたが、そこではこんな趣旨の発言もしていました。

「謝罪をくり返していくことは、希望を作り出していくことにはつながらない」

 また、村山談話や小泉談話には、日本が戦争に至った経緯が全く書かれておらず、たとえば村山談話には、「わが国は、遠くない過去の一時期、国策を誤り、戦争への道を歩んで国民を存亡の危機に陥れ…」とあり、まるで日本がある日『突然』『勝手に』戦争の道を歩んだように見えます。

 が、安倍談話では、100年以上前に遡って、日本が戦争に突入してしまうまでの経緯を、ざっくりですが書いてあります。
 有色人種の人々にとって、日本の存在は「希望」だったことにも言及しながら…。

百年以上前の世界には、西洋諸国を中心とした国々の広大な植民地が、広がっていました。圧倒的な技術優位を背景に、植民地支配の波は、十九世紀、アジアにも押し寄せました。その危機感が、日本にとって、近代化の原動力となったことは、間違いありません。アジアで最初に立憲政治を打ち立て、独立を守り抜きました。日露戦争は、植民地支配のもとにあった、多くのアジアやアフリカの人々を勇気づけました。

 また、これまでの談話では、「アジア諸国」にしか言及してこなかったのですが、今回は、米国や英国、オランダ、豪州などの国、それも元捕虜の方々に感謝の言葉を述べている点も配慮が行き届いていると思います。


 中国への皮肉みたいなものが、盛り込まれているのも良かった。

日本は、次第に、国際社会が壮絶な犠牲の上に築こうとした「新しい国際秩序」への「挑戦者」となっていった。

先人たちのたゆまぬ努力と共に、敵として熾烈に戦った、米国、豪州、欧州諸国をはじめ、本当にたくさんの国々から、恩讐を越えて、善意と支援の手が差しのべられたおかげであります。】(←「中国」に言及していない)

我が国は、いかなる紛争も、法の支配を尊重し、力の行使ではなく、平和的・外交的に解決すべきである。この原則を、これからも堅く守り、世界の国々にも働きかけてまいります。

私たちは、国際秩序への挑戦者となってしまった過去を、この胸に刻み続けます。だからこそ、我が国は、自由、民主主義、人権といった基本的価値を揺るぎないものとして堅持し、その価値を共有する国々と手を携えて、「積極的平和主義」の旗を高く掲げ、世界の平和と繁栄にこれまで以上に貢献してまいります。

 また、次の2箇所は、「昔の中国人は寛容だったのに、今は狭量ですね」というメッセージが込められているような。

中国に置き去りにされた三千人近い日本人の子どもたちが、無事成長し、再び祖国の土を踏むことができた事実を。

戦争の苦痛を嘗め尽くした中国人の皆さんや、日本軍によって耐え難い苦痛を受けた元捕虜の皆さんが、それほど寛容であるためには、どれほどの心の葛藤があり、いかほどの努力が必要であったか。

 そして、先ほど紹介したこの箇所は、中国だけでなく韓国への強いメッセージが込められてますよね。

あの戦争には何ら関わりのない、私たちの子や孫、そしてその先の世代の子どもたちに、謝罪を続ける宿命を背負わせてはなりません。

 戦後70年にもなるのに、未だに難癖つけてくる中韓に対して、他の国々のようにそろそろ「寛容」さを見せてくれませんか?と言っているように思えます。


 過去の反省と同時に、未来に向けて日本が国際社会でどう貢献していこうとするかを述べる。

 と同時に、中国の「力で現状を変えようとする試み」にクギを刺す。
 さらに、いつまでも謝罪や賠償を求めてくる中韓にクギを刺す。

 そういう意味でも、よく練られた談話であると感じました。

 ただ、今後メディアが安倍談話を引用する時に、どの箇所を使うか。
 特にテレビ。

 毎年8月が来るたび、あるいは歴史認識で問題が発生するたび、テレビは村山談話を「振り返りVTR」の中で流してきました。

 今後、「振り返りVTR」として流されるのが安倍談話に変わったとしても、私がいま挙げた箇所などは無視して、「お詫び」とか、そこばかり繰り返し引用する(実質的に村山談話を「最上位」に置く)危険性はあるかもしれません。


 野党や反日メディアなどはさっそく、「『お詫び』などが過去の談話への言及という形で、間接的な言及になっている」とか批判してますね。

 談話ではその直後に、【こうした歴代内閣の立場は、今後も、揺るぎないものであります】と書いてあり、そのあとの質疑応答でも【私の内閣においても揺るぎないものとして、引き継いでいく】と言ってるのに。

 中国も、新華社が早々に「未来の世代は大戦中の残虐行為について謝罪を続ける必要はないと付け加えた」と伝え、反発をにじませました。
 また、日本の「侵略」「植民地支配」については直接触れず、『一般論に留めたこと』にも不満を示したと。

 同じく中国の環球時報は、談話が「お詫び」に言及したなかで、「中国」が最後に列挙されたことや、これとは別に「台湾」が個別に言及されたことにも、不快感を示したとあります(産経 2015.8.14 19:41)。

 台湾は当時は明らかに中国とは別物だったんだし、外省人(戦後大陸から台湾に来た人々)はともかく、本省人の方々は概ね喜んでると思いますよ。


 韓国の聯合ニュースも、「安倍談話“過去形謝罪”」との見出しで否定的に報道。
 「安倍晋三首相は談話で植民地支配と侵略に触れたものの、これらについて日本の行動と明示しなかった」と不満を示したようです(産経 2015.8.14 20:36)。

 各国の反応が、NHK NEWS WEBにまとめられていますが、現時点ではまだ、メディアの反応が主です。

 政府としては、台湾総督府、インドネシア政府、オーストラリア政府が現時点で声明やコメントを出しています。

 あと、NHK NEWS WEBにはまだ載っていないようですが、米オバマ政権も歓迎の声明を発表しています。
 痛切な反省の念を表明したことを評価するとともに、日本が戦後70年、平和、民主主義、法の支配を尊重してきたことは「他国の模範となる」と強調したとのことです(産経 2015.8.15 00:18)。

 中国政府と韓国政府のコメントは、現時点でまだ出されていません。
 首脳会談なども見すえて、当面は抑制的な対応をするかもしれませんが、中長期的にはどうでしょう?

 特に韓国は、前からこのブログでも言っているように、反日こそがアイデンティティの国ですから、絶対に日本と和解することはありません。
 どんなにお詫びをしても「誠意がない」と難癖をつけるか、「行動で示せ」と賠償などを要求してくるだけ。


 翻って国内を見ても、反日メディアや一部野党なども、「反安倍」である限りは、絶対に安倍総理のやることにYESとは言いません。

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 報ステ(8月14日)なんか、最初の画面がこれですから。

 しかもナレーションで「キーワードに世界が注目している」と。

 報ステのおっしゃる「世界」ってどこの国のことかしら?
 中韓だけでしょ。
 あとはせいぜいアメリカだけ。それもアメリカの場合は、日中韓の関係を心配しているという文脈でしかない。

 報ステは、保阪正康に談話を延々と批判させていました。

あの戦争には何ら関わりのない、私たちの子や孫、そしてその先の世代の子どもたちに、謝罪を続ける宿命を背負わせてはなりません。

 という箇所について、保阪はこう言った。

「アジアの国々が『おいおい』と思うだろう。文句や不平を言うだろう」

 今後も日本は謝り続けろという貴方に、こちらが「おいおい」です。

 そもそも、未だに謝罪せよと言ってるのは中韓だけ。
 他のアジア諸国は、戦後日本の歩みを概ね評価してますよ。

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 村山富市元首相は、さっそく14日夜に地元の大分市で記者会見し、安倍談話を批判。

「焦点がぼけてさっぱり何を言いたかったのか分からない」

 失礼ですが、貴方が「ぼけ」ておられるのではないですか。
 そりゃ石原慎太郎元東京都知事に「ナンセンス」「年取ったね」って言われるわ。


 「できるだけ多くの国民と共有できる談話をつくることを心がけた」と、安倍総理は質疑応答で言っていました。

 そのとおり、左でも右でもない、全体的にバランスの取れた談話だと思います。

 この談話を評価しない人(濃淡あれども)は、最初から評価しようという気持ちがない人でしょうから、もうほっとくしかないでしょう。


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