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鯨供養祭にみる日本人の心と戦略見直しを迫られる捕鯨問題

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★グレンデールの慰安婦像撤去求める訴訟、弁護士事務所が変更されます。中韓系の「圧力」があったと思われます。訴訟は継続されますので、引き続き皆様のご支援を宜しくお願いします。

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 和歌山県太地町。
 日本の古式捕鯨発祥の地と言われています。
 古式捕鯨とは、複数の船で鯨を網に追い込み、銛(もり)を投げて仕留める漁法です。

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[太地町立くじらの博物館で紹介されている古式捕鯨を再現したジオラマ]

 最近では、シー・シェパードらによるイルカ漁の妨害ですっかり有名になってしまった太地町ですが、私が最後に訪れた2001年にはそんな喧騒もなく、とても静かで穏やかな町でした。
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 その太地町では、毎年4月29日、海沿いの高台の梶取崎にある「くじら供養碑」前で、「鯨供養祭」が行われます。

 古くから生活の糧としてきた鯨の恵みに感謝するとともに、この1年間に捕獲した鯨の冥福を祈るのです。

 この供養碑はセミクジラをかたどっています。

【人間が幸せに生きていくために大事なことの1つは、自分に生き甲斐のある職業を持つことです。
しかし、どんな仕事にしても働くことの満足感や喜びがある反面、そのきびしさや悩みも伴います。

私達の先人の多くは、鯨に挑むことを誇りとして生き甲斐と糧を求め、長い間生計を営んできました。
しかし、仕事の宿命というべきか、捕鯨に関わる人達は避けて通れない心の痛みや悲しみに直面せざるを得ませんでした。
それは「いのち」を持つ鯨をしとめるということでした。
どんなに仕事や生活のためとはいえ、つい今しがたまで恰(あたか)も大洋を楽しむかのように泳いでいたその鯨を追いつめ、射止めてしまうのです。

鯨との闘いの末、懸命にもがき廻ったその鯨がぐったりとその巨体を横たえた時、海の男達は「やったぞ。」と勝利者の叫びをあげながらも、その歓喜はまた「なんと申し訳のないことをしてしまった、許してくれ。」という深い詫びと悲しみに変わるのでした。
そして、ひたすら異口同音に「南無阿弥陀仏、、、、」と唱え、鯨に向って手を合せるのでした。
それが海の男達の精一杯の気持ちでありました。


このことは、陸に揚げられた鯨を処理する人達にも全く同じことでした。
熊野灘を一望する梶取崎園地の一角には我が国の捕鯨発祥の地として「鯨魂の永く鎮まりますよう」という願いを込めたくじら供養碑が建立されていて、毎年4月29日にはここで捕鯨OBが主催する「くじら供養祭」が行われます。

太地町サイト>歴史文化を探るより引用)】


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 今年も4月29日に「鯨供養祭」が行われ、太地捕鯨OB会、町漁協の関係者など約110人が出席しました。

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 例年は、先ほど画像で紹介した「くじら供養碑」前で行われるのですが、この日はあいにく雨だったため(四国や近畿を中心に「ノロノロ低気圧」が直撃していました)、町内にある順心寺で行われました。

 順心寺は、古式捕鯨の創始者とされる和田頼元が眠るお寺です。

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 初めに、太地町の三軒一高(さんげん・かずたか)町長が挨拶しました。

 「陸の孤島のようなこの地で、先人たちは生きるがために鯨に挑み、その恵みで生かされてきた。鯨への感謝の気持ちを持ち続け、現在、未来へと鯨との関わりを続けて、今後の歴史を築いていきたい」

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 3月31日に、国際司法裁判所(ICJ)は、日本の南極海での調査捕鯨を国際捕鯨取締条約違反とする判決を言い渡しています。

 これについて、漁協の参事である貝良文(かい・よしふみ)さんは、挨拶の中でこう述べました。

 「大変厳しい状況に追い込まれている。私たちは先人から受け継いだ文化を絶やすことなく、鯨類の恵みに感謝したい」

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 このあと法要が営まれ、出席者が1人ずつ焼香をしてこの1年間に捕獲した鯨に感謝するとともに、今後の漁の安全を祈りました。

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 太地町では、国際捕鯨委員会で規制されていない、コビレゴンドウなどを対象にした沿岸小型捕鯨が、5月1日から解禁されました。


 日本人にとって捕鯨は大切な文化です。
 鯨を供養する祭事はもちろん太地町だけでなく、全国各地の捕鯨に関わりの深い町で行われています。

 日本人は、自然のあらゆるものに魂が宿ると考える民族です。
 動物だけでなく、植物もそうですし、道端の石ころに至るまで…。

 そんな日本人にとって、動物のお肉を食することは、「命をいただく」=「いただきます」の文化。
 そこには、動物の命をいただくことで自分たちが生きていけることへの感謝の気持ちが込められています。

 日本人はそもそも、人間も自然の一部であり、「自然=調和するもの」という考え方が根本にあります。
 一方、西洋では「自然=支配するもの」という考え方が基本だそうです。

 そこの部分からすでに決定的な価値観の相違がありますよね。

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[古式捕鯨を再現する「太地浦勇魚祭」。毎年8月14日に行われます。画像は共同通信2008年8月14日より]

 ご存知のように、欧米もかつては捕鯨をしていました。
 ペリーが日本に開国を迫った理由のひとつとして、捕鯨のための補給拠点がほしかったことがありました。

 鯨の肉だけでなく骨や歯やヒゲなど、全てを無駄にせず有効活用する日本人とは違い、彼らは油とせいぜいヒゲだけを取ってあとは全て海に捨てていました。
 彼らは鯨を食料ではなく、主に燃料として見ていたのです。

 代替の燃料(石油)が普及したら、捕鯨をあっさり捨てた欧米(もともと鯨食文化のノルウェーなどを除く)。
 そして今は、鯨を特別な生き物として扱い、神聖視しているようです。

 このように、鯨に対する見方、捕鯨の歴史、何をとっても欧米と日本は違っています。

 国際的に対立している問題(IWCで争っている問題)とは別に、まず文化や価値観の面での相違を、欧米人に理解してもらうにはどうしたらよいのでしょうね。

 そのヒントを与えてくれる記事を、4月12日付の産経新聞で読みました。

 シー・シェパード側から一転、日本の「味方」になったオーストラリア人、サイモン・ワーンさんのインタビュー記事です。

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[米大学生らに太地町の歴史と捕鯨について説明するワーンさん(中央)]

 記事によると、ワーンさんは、現在、捕鯨の研究を進めながら、和歌山大学の観光学部の特任教授をしています。

 が、もともとは映像ジャーナリストで、シー・シェパードのドキュメンタリー番組の撮影も務めた人でした。

 ワーンさんは2007年から08年にかけ、南極海で、日本の調査捕鯨船を妨害するシー・シェパードを5週間取材したそうです。

 ところが、取材の間にシー・シェパードのメンバーが日本の調査捕鯨船に乗り込み拘束される事件が発生。

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[画像は2008年1月18日放送 ABC「ムーブ!」より]

 引き渡されたメンバーに話を聞くと、捕鯨船の日本人船員は妨害工作をしかけたメンバーの話にも耳を傾け、環境問題などをテーマにした日本の人気アニメ映画「もののけ姫」のDVDを手渡すなど、対話の姿勢を見せたそうです。

 しかし、そうした情報は番組ではいっさい触れられず、「見せたいものだけを放送する」方針に疑問を抱いたワーンさんは、撮影クルーを外れました。

 その後、ワーンさんは日本の捕鯨について詳しく知りたいと太地町を訪れ、古式捕鯨の歴史と、先祖代々受け継がれてきた技術とチームワークに感銘を受けました。

 と同時に、日本人自身がその歴史や背景を知らないことに驚いたそうです。

 ワーンさんが驚くのも無理はありません。
 が、現実として、日本の若い世代、特に捕鯨と縁の薄い町に育った人は、いまや捕鯨について知る機会はほとんど与えられていないと思います。

 ちなみに私は和歌山育ちで1964年生まれ。
 土地柄で言っても、世代で言っても、鯨に慣れ親しんだ人間です。
 学校給食では月に何度か鯨料理が出たし、家庭でもよく食べました。
 今もたまにですが、鯨肉を口にします。
 夫は鯨ベーコンが大好きですが、私はお刺身かなぁ。牛とマグロの中間のような味で美味です(^▽^)

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 話を戻して、ワーンさんは、母国オーストラリアや欧米で反捕鯨の世論が高まるなか、「江戸時代から連綿と続く太地の捕鯨の歴史を伝えれば、世界の認識は変わるはず」と訴えています。

 国際司法裁判所が南極海での日本の調査捕鯨停止を命じたことについても、悲観的にとらえていないそうで、こう主張しています。

 「日本はこれからも伝統的な捕鯨を続けるべきだ」
 「(国際司法裁判所の判決は)日本の捕鯨の正当性を世界に伝える絶好の機会ではないか」
 「必要なのは欧米の批判を気にせず、捕鯨の真実を伝えること。太地は自信をもって立ち向かえばいい」

 先ほどのワーンさんが写った画像は、今年1月、米ソールズベリー大学の学生9人を太地町へ案内した時のものです。
 捕鯨の歴史や鯨を供養する文化を説明すると、学生たちは熱心に耳を傾けてくれたそうです。

 ワーンさんは、「自分の足でその地を訪れ、歴史や背景を知ることが事実を知ることにつながる」と話しています。

 ワーンさんの言うように、日本の捕鯨の真実を世界に発信していく努力はやはり大切だと思います。
 (幸い、歴史認識問題と違って捕鯨問題では日本のメディアもほとんど主張が一致していますから、国内から足を引っ張られるケースもうんと少ないと思います)

 もちろん、反捕鯨派の多くは頑なで、ある種の「宗教」の域に入ってしまっている人たちや、あるいはシー・シェパードのように「利権」が絡んでいる人たちも大勢います。
 これをひっくり返していくのは困難な作業ではありますが、あきらめず努力を続けていくしかないでしょう。

 ただ、情報発信の仕方については、こんな意見もあります。
 いずれも国際司法裁判所における日本敗訴を受け、書かれたものです(ともに「正論」2014年6月号より)。

 まず、ジャーナリスト・東谷暁さん。

【もし、捕鯨とクジラ食を日本固有の伝統だと主張し、それを守りたいだけならば、別に南極海に出かけていかなくても、沿岸捕鯨だけにとどめ地域の生業として守ればいいことになるし、そもそも、伝統文化を理由に外国を説得しようとするのは逆に危険であることを肝に銘じねばならない。
 日本人の多くは犬肉を食べなくなったが、かつては食べたし、今もこれを食する国が存在する。ある文化人類学者がいったように「多文化というのは、いやったらしいもの」なのであり、「いやったらしいもの」で説得しようというのは馬鹿げている。
(中略)本当に自分たちの伝統文化を守ろうと思うなら、他国と共通の認識が可能な部分で徹底的に正当性を論証しなくてはならない。もちろん伝統文化の違いが根底にある。だからこそ文化や国境を超える事項については、価値と戦略は別にすべきなのだ。】


 そして、東京大学大学院准教授・八木信行さん。

【今後日本はどのような情報発信を行うべきか。「捕鯨は日本の文化だから捕鯨を再開させてくれ」というメッセージを直接発信するのはあまり良い方策ではないと思う。ただ単に直接的な捕鯨への支持を求めていくのではなく、捕鯨も含む広い意味での地球環境に関する日本の考えや、世界に向けた貢献の意思などを発信すべきなのである。つまり日本というブランドへの支持が重要なのだ。
(中略)今後の日本の捕鯨は、クジラだけについてではなく、広く生態系を保全し利用する観点から議論を訴える方が良いだろう。日本は、自国がクジラ資源を利用するために主張を展開しているという構図ではなく、途上国を含めて世界がいかにうまく生態系と調和した資源利用ができるかという構図で議論をすべきなのだ。】


 いずれにしても、捕鯨問題について日本の戦略の見直しが急務であることは間違いありません。
 どうすれば国際社会を味方につけられるか、官も民も情報発信の仕方をよりいっそう工夫していかねばならないと思います。

 2月のフランスにおけるアングレーム国際漫画祭(韓国の慰安婦漫画の展示問題)で、日本側が思いのほか冷遇された時にも感じたのですが、国際社会においては「正論を言えば理解してもらえる」とは限らないのです。


※お勧め書籍


※お勧め動画
【Whales, the blessing of sea - living with the whales-】
 2011年5月22日放送 NHK「クジラと生きる」の英語字幕版。

Whales, the blessing of sea - living with the... 投稿者 hetarefukuda

※お勧め動画…というか画像集
【古式捕鯨の町 太地町】

制作者、福田へたれさんのツイッター
・3月12日に「太地町の風景20120225-20120226(Kindle版)」が発売されました。

※ニュースソース
和歌山県太地町で鯨供養祭(NHK 4月29日 12時54分)
「クジラに未来も関わり続けたい」和歌山・太地町で鯨供養祭(産経新聞 2014.4.29 16:56)
太地町でクジラ供養祭 太地町長「捕鯨に関わり続けたい」(WBS和歌山放送 2014年04月29日 17時44分)
和歌山・太地町で毎年恒例の「くじら供養祭」(TBS 4月29日20:09)リンク切れ
和歌山)クジラに感謝を込めて供養祭 古式捕鯨発祥の地(朝日新聞 2014年4月30日03時00分)
シー・シェパード側から一転「捕鯨の歴史や正当性を伝えたい」 和歌山・太地に魅せられた豪ジャーナリスト(産経新聞 2014.4.12 22:48)

※参考サイト
太地町サイト>歴史文化を探る
きのくに風景讃歌>くじらの町太地
太地町立くじらの博物館

※拙ブログ関連エントリー
06/6/16:IWC年次総会~今年は捕鯨支持国が過半数?
  元水産庁のタフ・ネゴシエーター・小松正之さんの発言集も。
06/6/18:IWC年次総会~日中韓露が連携してます
06/6/19:IWC年次総会~24年ぶりに捕鯨支持国が勝利
07/2/10:テロ組織が日本の調査捕鯨船を攻撃
07/6/2:IWC年次総会~日本が脱退を示唆
08/1/12:「台湾」ない地球儀を販売 他いろいろ
  「細切れぼやき」1本目参照。
08/1/17:「アンカー」首相引っ越しと防衛汚職(付:シー・シェパード)
08/1/19:「ムーブ!」反捕鯨活動過熱で日豪関係緊迫
  コメンテーターは若一光司、財部誠一、吉永みち子。
08/1/23:「ムーブ!」“ニュース バカ一代”捕鯨船妨害活動
  コメンテーターは勝谷誠彦、上村幸治。
08/2/16:「Newリアルタイム」捕鯨問題 小松(元水産庁)vs星川(GP)
08/3/11:「ぷいぷい」シー・シェパード(付:プレミアA)
  小川和久さんGJです。
08/4/15:チベット問題と中華思想、捕鯨問題と白人至上主義
08/5/16:目的のためなら手段を選ばないグリーンピース
08/6/21:目的のためなら手段を選ばないグリーンピース・逮捕編
08/7/1:IWC年次総会~日本が転換?IWC正常化なるか?
10/3/15:他国の食文化に口出すな!『ザ・コーヴ』 の波紋 「アンカー」より






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