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「はだしのゲン」より、こうの史代さんの漫画をお薦めします

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 毎年この時期に合わせ、書棚から引っ張り出してきて読む漫画があります。

 こうの史代さんの「夕凪の街 桜の国」「この世界の片隅に」です。

 「夕凪の街 桜の国」は広島原爆がテーマ、「この世界の片隅に」は広島原爆含めた戦時下の暮らし全般がテーマです。
 
 広島原爆の漫画といえば中沢啓治さんの「はだしのゲン」が非常に有名ですが、こうの史代さんの方が百万倍お薦めです。

 こうの史代さんは広島市出身ですが、1968年生まれなので、もちろん被爆体験はありません。被爆二世でもないそうです。

 が、体験した人の作品だから良い、体験していない人の作品だから劣る、と一概に決めつけることはできません。

 むしろ私は、こうのさんの作品の方が、当時の人々の暮らしや心情により近いんじゃないかと感じています。
 それほどリアルな描写です。

 「夕凪の街 桜の国」と「この世界の片隅に」の粗筋を、ネタバレにならない程度に書いてみます。
 
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 「夕凪の街 桜の国」は、二部構成になっています。

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 まず、「夕凪の街」は、昭和30年、原爆投下から10年後の広島市が舞台。
 原爆で生き残った23歳の女性・皆実(みなみ)が主人公です。

 皆実はあの日のトラウマを引きずりながら、10年間生きてきました。
 「私は生き残ってよかったんだろうか」という罪悪感とともに。
 ともに生き残った母にすらその思いを話せないまま……。

 やがて皆実は好きな男性ができますが、やはりそこでも躊躇します。
 「私は幸せになる資格があるのだろうか」と。

 重苦しいテーマを、やわらかく、かつ淡々と描いています。

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 第二部「桜の国」は、昭和の終わり(昭和62年)と平成(平成16年)の物語。
 「夕凪の街」で主人公だった皆実の弟・旭(あさひ)と、その娘で被爆二世の七波(ななみ)が主人公です。

 当時疎開していて被爆を免れた旭は、後に被爆者の女性(七波の母)と結婚し、七波と凪生(なぎお)が生まれました。
 つまり七波と凪生は被爆二世です。

 旭の一家は東京住まいですが、物語の開始時点で母はすでに故人です。
 同居していた祖母(旭と皆実の母)も七波が小学生の頃、亡くなりました。

 時は流れ平成16年のある日、旭がふらっと「散歩」に出ます。
 そんな旭をこっそり尾行していた七波は、最寄り駅で偶然(?)幼なじみの東子(とうこ)と再会します。

 旭が乗ろうとしていた夜行高速バスは、広島行きでした。
 七波は東子に促されるまま、東子とともに広島まで旭を追います。
 そして広島で七波が見たものは……。

 物語は七波の目線で進んで行きます。
 旭が何のために広島に来たのか、なぜ東子が広島までついて来たのか、七波も最初は分かりません。
 当然、読者も分かりません。
 が、やがて読者は七波とともに、その旅の意味に気づいていきます。

 原爆の「傷」は被爆者だけでなく、家族や周囲の人にも、長く、深く、刻まれ続けます。
 この作品は、その現実を静かに描写しています。
 決して押し付けるのではなく、読者それぞれに、自由に考えて下さいと呼び掛けているようです。


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 「この世界の片隅に」は、原爆に特化したものではなく、戦時下全般の物語です。
 こちらは広島県呉市が主な舞台です。

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 主人公は「すず」という、絵を描くことが好きな、おっとりとした若い女性です。
 昭和19年2月、実家のある広島市から呉市に嫁いで来ました。

 戦時下の庶民の暮らしをユーモアを交えながら描いた作品です。
 世俗などを図解で説明してあり、当時の生活を知る一助になります。

 反戦ドラマではよく、戦時下の日本人はみな余裕がなく、まるで毎日が生きるか死ぬかだったかのような描写がされたりしますが、この漫画ではそういうことはありません。

 もちろん戦時下ですから、生活上のいろんな制限がありますし、義務もあれこれ課されていますし、時には憲兵に怒られたりもしますし、空襲にも見舞われますが、そんな中でも人々がそれなりに日常を楽しんでいたことを教えてくれます。
 (さすがに終戦間近になってくると、身近な人の死など不幸の描写が増え、ユーモアの場面は減っていきますが)

 「すず」がかつて好きだった幼なじみの水兵、夫の周作がかつて好きだった遊郭の女性、それぞれの切ない恋物語も織り込まれています。

 この作品も全編通じて淡々とした描写ですが、戦争の怖さや理不尽さ、原爆の残虐さが十二分に伝わってきます(「すず」自身は被爆はしません)。

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 私が一番、ゾッとしたというか、何とも言えない感情に襲われたのは、「すず」の近所のおばさんのエピソードです。
 終戦の年の暮れ、おばさんは「すず」に、淡々とこう打ち明けます。

 「8月に隣保館の横で兵隊さんが行き倒れとったじゃろが。どうも4月に陸軍へとられて広島へ行ったうちの息子じゃったらしい。…自分の息子じゃと気づかんかったよ、うちは」

 この場面、おばさんは後ろ姿で描かれており、表情は読者には見えません。
 「行き倒れの兵隊さん」が自分の息子だと気づいてやれなかったおばさんの心情は、どのようなものだったのでしょう…?

 私の乏しい想像力では、とても理解が追いつきません。
 深く鈍い痛みが、波のように押し寄せてくるだけです。

 作品の最後には、作者のこんな一言が添えられています。
 【間違っていたなら教えて下さい 今のうちに】


 「夕凪の街 桜の国」「この世界の片隅に」、いずれも感情を激しく揺さぶるタイプの作品ではありません。
 でも、心の奥底に重たい何かがジワーッと沈んで行きます。
 あとから「じわじわ来る」のです。
 毎年、読み返すたびに、形容できないいろんな感情が押し寄せてきます。

 但し、読後感は決して悪くありません。
 それはきっと、いずれの作品も、最後に「希望」が示されているからだろうと思います。

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 「夕凪の街 桜の国」は2007年に映画化、「この世界の片隅に」は2011年にドラマ化されました。
 私は両方見ましたが、やはり原作がベストです。

 なお、「夕凪の街 桜の国」の方は、このほどヒンディー語版が完成しました。インド各地の書店で販売される予定とのことです。


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 「はだしのゲン」についても少し触れておきます。

 私は小学高学年の頃に、5巻あたりまで読みました。
 当時はまだそこまでしか刊行されていませんでした。

 学校の教室の後ろに「学級文庫」として置いてあり、担任から読むよう言われました。
 他のクラスにも置かれていたようでした。

 私が当時読んだのは、原爆投下後しばらくの箇所までですが、内容は今もある程度覚えています。
 特にゲンの父親が反戦思想の持ち主であったことはよく覚えています。

 というか、イデオロギー云々以前に、ゲンの父親が町内の訓練などを全く真面目にしないので、「何て協調性のない人なんや。こんな人が自分のお父さんだったら嫌やなあ」と感じたものでした。

 我ながら小学生らしい素直な感想だと思います(^_^;

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 漫画全体を通して、左翼思想が色濃く流れている作品であることは、実はだいぶ後になってネットで知りました(一例:「反日勢力を斬る」様)。

 反天皇だったり、旧日本軍を残虐非道なもののように描いたり…。
 上の画像のセリフなど、まさに中共のプロパガンダそのものですよね。

 こういうデタラメを織り交ぜた一方的な思想に基づく漫画を、まだ判断力のつかない子供に読ませることは大変危険だと私は思います。

 お子さんに読ませるなら「はだしのゲン」より、今日紹介した、こうの史代さんの上記2作品をお薦めします。

 「はだしのゲン」とは違い、思想的に偏りがなく、「これは正しい、これは間違っている」といった押しつけがましさもありません。

 読んだお子さんたちも自主性を持って、また想像力を働かせながら、色々と考えてくれるはずです。

 もちろんそれは大人にとっても同じで、読んだ人の感性によって、様々な感想が出てくる作品だと思います。



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