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日本の価値観に合わない現行憲法…家族条項を消したのは日本自身

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 憲法記念日はもう過ぎてしまいましたが、今日は憲法について。

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 4月25日、櫻井よしこさんが自由報道協会で会見を行い、主に憲法問題について語られました。
 BLOGOSに文字起こしが掲載されています。

櫻井よしこ氏「憲法改正をみんな一緒に考えましょう」 1/4(2012年04月26日 15:08)

 会見のくだりを全文引用させていただきます。
 ちょっと長いですが、平易な語り口なので一気に読めます。
 
【本日は自由報道協会にお招き頂き、ありがとうございます。今日、私に与えられたテーマは、憲法です。日本国憲法の改正についてです。主に文化と安全保障の面からお話ししたいと思います。憲法というのはどの国にとっても、その国の価値観の根幹をなすものです。しかし、日本国憲法はそのような形になっておりません。日本が敗戦して占領下にあった時に、アメリカに作られたこの憲法の価値観は、私たちの文化に根ざしたものではありません。

たとえば、去年の3月11日、あの大震災が起きました。被災地の日本人の姿は、本当に多くの人たちに感動を与えました。なぜ感動を与えたかというと、あの大地震・大津波ですべてを失って、愛する家族さえも失った究極の悲劇の中で、被災地の人たちは誰一人として自分勝手な行動をしなかったからです。本当に僅かな食べ物しかなく、寒い中、着る物もの食べ物も無い中で、みんな一生懸命に助けあいました。その姿を見て、日本に普段はあまり友好的でない国のメディアでさえも、「日本人は立派だ」と論評しました。

その姿は私たち日本国民にも、私たちはこういう人だったんだ、ということを見せてくれたと思います。日本人ってなんて素敵な人たちだったのだろうと。こんなに立派なんだということを思い出させてくれたのが、3.11の一つの側面でした。

じゃあ日本国憲法に書かれた、日本の価値観はどのようになっているでしょうか?

たとえば第三章を見てみます。この第三章は二章の続きです。当然のことですが。第二章はあの憲法9条です。第三章は10条から始まります。日本国憲法の中で一番大きな章なのです。

それは日本国憲法で日本国民の権利及び義務を定めた章です。そこを読んでみるとすごく変な気持ちになります。ここに書かれていることってほんとに日本人なのかなって、そう思わざるを得ません。読んでみますと、"あなたにはこういう権利があります、あなたにはこういう自由があります"ということがたくさん書かれています。その権利を行使しなさい、自由を享受しなさいという意味だと思います。でも私たちは大人になれば、権利と自由の裏側には責任と義務が無ければならないと知っています。

でも日本国憲法第三章には、責任と義務はほとんど出てきません。私はそれぞれの言葉がどれくらいの頻度で出てくるか、「お正月」の「正」の字を書きながら調べました。権利が16回出てきます。自由が9回出てきます。責任と義務が3回ずつ出てきます。それぞれの言葉の頻度から見て、どういった価値観が一番重視されているかがよくわかります。権利や自由はもちろん大事ですけれど、そうしたものばかりを主張するのは私たち日本人の価値観ではなかったのです。でもそう書かれてある。震災時に多くの人たちが見せて下さった姿は、憲法第三章に書かれている価値観とは正反対のものでした。東北の被災者の人たち。さっき申し上げましたけれど、自分のことよりも他者のこと家族のこと、とっても思いやりました。一生懸命助けようとしました。

本来ならばそうした価値観が、国の憲法に吹きこまれていなければならないと思います。これが憲法改正が必要な第一の理由です。

第二の理由は安全保障です。第二章憲法9条。この憲法9条とそれから前文。この2つを合わせて見て、我が国の今の憲法の下で、日本国を守ることができるのかしら。そう思って読めば読むほど、守ることなんてできないと思います。あの前文には「平和を愛する諸国民の公正と信義に信頼して、われらの安全と生存を保持しようと決意した」と書かれています。中国や、今、中東で起きている民主化運動を見てみましょう。シリアのアサド政権。国連の調査ですでに9,000人の国民を軍隊が出動し殺したのです。国際社会はこのアサド政権に非難警告決議をしようと、昨年11月と今年2月、安全保障理事会で討議しました。でも出来ませんでした。中国とロシアが拒否権を発動したからです。中国はまた、北朝鮮の金正恩政権を擁護しています。中国は、イランという核開発の意図が明らかな国に対してもそれを守っています。

つまり私が申し上げたいのは、国際社会は、我が国の憲法前文に書かれているように、"平和を愛する祖国"、もしくは"公正と信義"、そうしたものだけで成り立っているわけではない。国際社会ですから、私たちと同じ価値観の国ももちろんあります。一生懸命に平和と民主主義と人権を法律によって国を統治するという意味で、守ろうとする国々はたくさんあります。でもそうでない国もある。

中国、ロシア、北朝鮮、イラン、シリアは典型的な事例です。こうした国々がすぐ近くにいる時に、中国は過去24年間、異常な軍拡を続けて、我が国を安全保障に脅威を与えています。脅威があれば国の責任として、国民と国土を守るのは当たり前です。でも今の憲法ではそれがなかなか出来ません。私は今国土領海のことを言いましたが、今の9条の条文では、コンピュータによるハッキングも守ることは出来ません。

昨年、我が国の衆議院・参議院全員のIDとパスワードが盗まれていたことがわかりました。三菱重工や川崎重工などの日本の軍事産業の中枢もハッキングされていたことがわかりました。でも我が国は専守防衛ですから、こうしたことに対して予防的な攻撃も出来ません。自衛隊はこの予防攻撃に関われません。アメリカだけでなく、ロシアも中国も韓国もマレーシアもシンガポールもみんなこうしたサイバー攻撃に対しては、いわゆる一定以上のものに対しては、戦争行為と見なすとして軍隊が守ります。

つまり、今の日本の憲法ではサイバー攻撃に対しても、我が国を守ることが出来ないということが明らかです。こういう事例から憲法は、私たちが次の世代のためにも責任を持って論議して変えていかないといけない。そういうふうに思って私は今日ここに、憲法改正をみんな一緒に考えましょうと、参りました。

私は、日本の基本的なあり方を誰も変えようとしない。これはおかしいのではないかと思い、憲法改正を一つの目標に掲げて、5年前に「国家基本問題研究所」という小さなシンクタンクを作りました。興味のある方は是非ホームページをご覧になって、もし共鳴してくだされば、一緒に憲法を考えるということをやってくださればと思います。どうもありがとうございました。】


 以下、質疑応答です。引用は省略します。

2/4 今回の石原発言を全面的に支持します
3/4 メディアと民主党の情報の出し方は似ている
4/4 "きちんとした軍事力"を

 現状にそぐわない法律というのは、世の中にたくさん存在します。
 国民生活に支障が出てきたり、出る可能性が高いと予見される場合、その法律を見直そうとするのは当たり前のことです。
 実際、多くの法律がそうやって改正されていってますよね。

 憲法も同じではないでしょうか。
 施行から一度も変えずに65年。
 安全保障をはじめ現状にそぐわない面が実際に出てきているんですから、変えていきましょうとなるのはごく自然なことだと思います。

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 上記会見とは別に、2012年3月22日に櫻井よしこさんの講演がありました。

 現在発売中の「SAPIO」5/9・16号に、その模様を収録したCDが付録として付いています。

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 公益社団法人・鹿沼日光法人会主催の講演会で、題目は「変革を迫られる日本」です。

 ここで櫻井さんは、被災地の瓦礫受け入れ拒否問題や尖閣諸島問題などを話されたあと、現行憲法の問題点について指摘されています。

 ひとつは文化面から見た憲法の問題点。
 すなわち第3章に「責任と義務」がほとんど出てこないこと。

 もうひとつは安全保障面から見た問題点。
 すなわち第9条と前文。

 これらは自由報道協会の会見でも指摘されていますが、3月22日の講演ではさらにもう一点、櫻井さんが力を込めて述べておられたことがあります。

 それは「家族」です。

 そのくだりがこれです(トラック05の7:58~)。

【また東北で、私たちは、家族の絆の大切さというのを学びました。
どの人もみんな、家族が大事だということを本当に心にしみて、感じましたね。

被災した人たちだけではないですよ。
日本全国、本当に、家族って大事なんだ、お母さんお父さん、おじいちゃんおばあちゃん、そして幼い子供達、親戚の子供達、お友達みんな、大事なんだということが分かりました。

でもこの憲法第三章には、家族の大切さなんて一言も出てこないんですよ。
こんな憲法は世界でも本当に珍しい。


どの国の憲法にも、家族というものは社会の一番の基本の単位で、大事にしなきゃいけないもんだということが、ちゃんと書かれています。

そして我が国はこの長い長い歴史の中で、本当に家族を大事にしてきた国ですよ、そういう民族ですよ。
にもかかわらず、そこには家族の大切さが一言も書かれていない。


 GHQが作った今の憲法は、日本国の解体だけでなく、家族の解体も狙ったものだということがよく言われます。
 第3章の中の第24条がよく指摘されますよね。

 家族解体まで目論むとは、GHQは本当にとんでもないことをしてくれたものだと思っていたら、どうもこの「家族」の部分を憲法から削ったのは、GHQではなく日本自身のようなんです。

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 産経新聞5月3日付朝刊【検証・憲法施行65年「米国製」謎多い制定過程】によれば(後半部分に注目)……

■「赤い条項」と家族条項

 2月13日、日本側に示されたマッカーサー草案は2月19日の閣議で、松本国務相から報告された後、佐藤達夫・法制局第一部長らを交えて日本側による修正作業が始まった。

 マ草案の中には、松本氏が「共産主義の条文じゃないか」と指摘した部分があった。

 28条の「土地及一切の天然資源の究極的所有権は人民の集団的代表者としての国家に帰属す…」(外務省仮訳)という規定だ。

 3月4日から5日にかけて行われた日本側とGHQの折衝で、日本側が「あまりに概念的で一般の人には分からないから削りたい」と申し出たところ、GHQは簡単に同意したと、佐藤氏は自著「日本国憲法誕生記」(中公文庫)に書いている。

 他方、日本側の修正で改悪されたケースもある。

 マ草案の家族に関する規定は、こんな文言だった。

 23条 家族は人類社会の基底にして其(そ)の伝統は善かれ悪しかれ国民に滲透(しんとう)す。婚姻は男女両性の法律上及社会上の争ふ可からさる平等の上に存し…

 これが日本側の修正を得て3月6日に発表された憲法改正草案要綱では、こう変わっていた。

 22条 婚姻は両性双方の合意に基きてのみ成立し且(かつ)夫婦が同等の権利を有することを基本とし…

 なぜか、冒頭の「家族は人類社会の基底にして…」のくだりが消えていた。

 その理由を佐藤氏は「日本国憲法誕生記」でこう書いている。

 「『家族は…』のところは、わざわざ憲法に書くまでのこともなかろう、ということで黙殺してしまった」「昨今、憲法改正論議の一つの題目に家族の尊重ということがあげられているのに関連して、いささかのこそばゆさをもって思い出される条文である」

 その後、7月から開かれた衆院憲法改正小委員会で、社会党の鈴木義男氏や森戸辰男氏らが「国民の家庭生活は保護される」との文言の追加を求めたが、認められなかった。

 10月6日の貴族院本会議でも、法律学者の牧野英一氏らが「家族生活は、これを尊重する」との文言を加える修正案を出したが、賛成165票、反対135票で、改正に必要な3分の2に達せず、否決された。

 この結果、現行憲法に「家族尊重」の文言は入らなかった。

 他でもない日本人自身が、「家族尊重」を憲法から外してしまったという話なのです。
 
(この話を今回私は初めて知りましたが、実は産経新聞では同じ話が10年前にも掲載されていました。→2002/05/13 産経新聞東京朝刊【一筆多論】家族軽視の源は憲法に 論説委員 石川水穂

 もっと言えば、現在「家族解体」を目論む最右翼と言える社民党、その前身である社会党の議員が、「国民の家庭生活は保護される」との文言の追加を国会で求めたのに認められなかったというのは、すごく複雑な気分です。

 「家族は人類社会の基盤」だというのは、確かに当時は「わざわざ憲法に書くまでのこともない」ことだったのでしょうが、個人主義が浸透した今の日本では、それを当たり前に思っていない人たちが増えています。

 憲法問題を語る時、安全保障面での議論がより目立つからでしょう、「家族」については一般的にはあまり注目されていないように感じます。
 でも、私はここもとても大切なポイントだと思います。

 櫻井さんも指摘された「権利と自由はたくさん書かれているのに、責任と義務はあまり書かれていない」こと、そして家族条項がないこと。

 これら現行憲法の欠陥は、日本人の文化や価値観に大きな弊害をもたらしています。

 男女共同参画、夫婦別姓など、日本人自ら「家族解体」に突き進もうとしている最近の風潮を見てもそれは明らかでしょう。

 日本人の価値観に合わない現行憲法が、この65年の間に私たちの足下にがっちりと根を張ってしまい、引き剥がそうとしてもしつこく絡み付いてくる、そんなイメージが浮かんできます。

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 さて、毎年、憲法記念日が近づくと、主要メディアの世論調査で憲法改正にまつわる質問がなされますよね。

 4月28日(土)~29日(日)に行われたFNNの世論調査でも、それがありました。

 「今の憲法を改正する必要があると思いますか、必要はないと思いますか」という問いに対しては、「必要がある」が57.6%と過半数を超えています。

 改正するとしたらどこを改正すべきなのかを個別に見ると、「自衛隊の位置づけを明文化すべきだと思う」という問いには、「思う」が71.7%と高い数字。
 また、「集団的自衛権を認め、明文化すべきだと思う」についても「思う」が62.1%となっています。

 「有事を含む非常事態で、政府や国民がどのように対応すべきか明記すべきだと思う」も、「思う」が74.5%となっています。
 中国や北朝鮮など周辺国の脅威を、国民が現実的に捉えていることの現れではないでしょうか。

 そして、「憲法改正をめぐる国民投票に実際に投票したいと思う」という問いには、「思う」が81.5%と非常に高い数字になっています。
 憲法改正について、(改正すべきでないという考えの人も含め)かなり関心が集まっているのが分かります。

 最近、いくつかの政党の改憲案が相次いで発表されていますが、そのことも後押しをしているのかもしれません。
 (下の表は産経新聞2012.4.27 23:39より)

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 メディアでは、例えば産経新聞社は「国民の憲法」起草委員会というものを立ち上げて、現在、識者による会合が第3回まで開かれています。

 このように政党やメディアなどが積極的に改正案を出し合い、議論を深めるのは良いことだと思います。
 でも、なかなか具体的な動きにまではならないですね。

 特に政党は来るべき総選挙のことで頭がいっぱいで、それどころではないのかもしれません(改正案を出したこと自体はもちろん評価しますが)。

 何より、これら改正案についてメディアがさほど大きく報道していないことが気になります。

 メディアはやはり全体的に未だに憲法改正には反対だから、こういう動きがあること自体あまり国民に知らせたくないという気持ちが働いているんでしょうか?

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 メディアと言えば、5月3日、「『21世紀の日本と憲法』有識者懇談会」が開いたフォーラムに、「サプライズゲスト」として尖閣諸島の地権者の弟、栗原弘行さんが登壇し、こう述べられたそうです。

 「現行憲法に領土規定がないことを摩訶(まか)不思議に感じる。いざ非常事態の時に対応できない。現行憲法に改正規定がある以上は大いに議論すべきだ」産経2012.5.3 22:06)。

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 (画像はニコニコニュース4月19日配信より)

 日本の領土領海の危機的状況を肌で感じている方の、とても意義深い問題提起だと思います。

 ところが今回、産経以外のメディアは栗原さんのことを完全に無視しているようです。

 当日取材に来ていたのは産経だけだったのかもしれませんが、それならそれで他のメディアも後追い報道しなさいよと思うのですが、それが今現在全くありません。

 特にテレビは、「東京都が尖閣を買う」と石原さんが表明した時には先を争うように栗原さんのインタビューやコメントを流してたのに。

 「憲法改正派の集会に出た栗原さん」では都合が悪いのでしょうか?

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※拙ブログ関連エントリー(櫻井よしこさん発言起こし)
05/8/16付:NHK「日本の、これから」第二部
05/8/16付:NHK「日本の、これから」第三部
05/10/24付:「報道2001」櫻井よしこVS加藤紘一・凌星光
06/11/17付:【過去】人権擁護法案で起こし2本
07/2/26付:「報道2001」慰安婦問題ホンダ議員生出演
08/8/4付:「ムハハnoたかじん」櫻井よしこさんが中国の問題点を語る
10/3/13付:「日本の、これから」日米同盟 櫻井よしこさんとプロ市民
10/12/11付:櫻井よしこvs高野孟 11/26放送「朝まで生テレビ」より
11/7/16付:櫻井よしこさん講演録より…ダメのお手本、菅直人!

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