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「告日本國」ポール・リシャールが日本に託した“七つの大業”

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 黄文雄さんの「日本人はなぜ世界から尊敬され続けるのか」(徳間書店)。

 2011年5月28日発行。
 東日本大震災を受けてまとめられた本です。

 未曾有の大災害に見舞われてもなお秩序を保ち、冷静に行動し、礼節を守る日本人の姿に、世界中の人から称賛の言葉が寄せられたのは、皆さんご承知の通り。

 しかし、日本人が「すごい」のは、有事の時だけではないのは言うまでもありません。

 この本は、?志倭人伝の時代から現代まで、世界が驚きを持って伝えた日本人の姿を紹介しています。


 この本の中で、私が特に感銘を受けた外国人の詩があります。
 1916年(大正5年)に来日したフランスの詩人で神学者のポール・リシャール(1874年~1964年)が、翌1917年に発表した「告日本國」という詩です。

曙の児等よ、海原の児等よ
花と焔との国、力と美との国の児等よ
聴け、涯しなき海の諸々の波が
日出づる諸子の島々を讃ふる栄誉の歌を
諸子の国に七つの栄誉あり
故にまた七つの大業あり
さらば聴け、其の七つの栄誉と七つの使命とを
独り自由を失はざりし亜細亜(アジア)の唯一の民よ
貴国こそ亜細亜に自由を与ふべきものなれ
曾(かつ)て他国に隷属せざりし世界の唯一の民よ
一切の世界の隷属の民のために起つは貴国の任なり
曾て滅びざりし唯一の民よ
一切の人類幸福の敵を亡ぼすは貴国の使命なり
新しき科学と旧き知慧と、欧羅巴(ヨーロッパ)の思想と
亜細亜の思想とを自己の裏(うち)に統一せる唯一の民よ
此等二つの世界、来るべき世の此等両部を統合するは貴国の任なり
流血の跡なき宗教を有てる唯一の民よ
一切の神々を統一して更に神聖なる真理を発揮するは貴国なる可し
建国以来、一系の天皇、永遠に亘る一人の天皇を奉戴せる唯一の民よ
貴国は地上の万国に向かって、人は皆な一天の子にして、
天を永遠の君主とする一個の帝国を建設すべきことを教へんが為に生れたり
万国に優りて統一ある民よ
貴国は来るべき一切の統一に貢献せん為に生れ
また貴国は戦士なれば、人類の平和を促さんが為に生れたり
曙の児等よ、海原の児等よ
斯く如きは、花と焔との国なる貴国の七つの栄誉と七つの大業となり

(大川周明・訳、社会教育研究所)

 ポール・リシャールが日本人を高く評価していたことが分かります。

 この詩でリシャールは、日本の「七つの名誉」とそれに対応する「七つの大業」を次のように讃えていると、黄文雄さんは解説します。

(1)日本は唯一アジアで自由を失わなかった。だから日本人はアジアに「自由を与える」義務がある。
(2)一度も外敵によって滅ぼされたことのない日本には「人類の幸福の敵を滅ぼす」使命がある。
(3)新しき科学と古き知恵を統一できた日本人には、西洋と東洋を結びつけ、それを融合する任務がある。
(4)宗教対立・流血の歴史を持たない日本人には、一切の神々を統一し、「さらに神聖なる真理を発揮する」使命がある。
(5)天皇と日本国民の歴史には、世界を一君万民の原理のもとに「一つの帝国」とする役目がある。
(6)「万国に優れて統一のある民」として、来(きた)るべき一切の統一に貢献する使命を持つ。
(7)「戦士」として、「人類の平和」を促す義務が生じる。


 自由、平和、経済、文化といった現在の日本の美点は、戦後進駐軍によって与えられたものではない……。
 長い歴史のなかで皇室をはじめとする安定した秩序を保ち、明治維新後は西欧文化を柔軟に取り入れることのできた日本ならではの長所は帝国時代からすでに備わっていた……。

 そのことを、リシャールは余すところなく指摘していると、黄文雄さんは述べています。


 私自身、戦前の日本人はまさにリシャールが述べていることを理想とし、邁進しようとしていたんだろうと思います。

 が、敗戦によって、それは無残にも打ち砕かれてしまいました。

 1960年、86歳となったリシャールはロサンゼルスで、「神の子の自覚を持った世界唯一の日本が、その自覚を示した明治の憲法を改めて、神を無視し、人間を動物視したものにしたことは残念の極みである」という主旨の演説を行い、戦後日本の変貌を嘆いたそうです。

 確かに、今の日本は「七つの大業」を成せるような雄々しさはありませんし、その自覚すらありません(但しリシャールの詩は帝国主義時代に書かれたものですから、そこは割り引いて考えねばなりませんが)。

 特に、政治家や官僚の中国共産党に対する及び腰な姿勢を見るにつけ、(1)のアジアに「自由を与える」義務、(2)の「人類の幸福の敵を滅ぼす」使命、こういったものを今の日本は完全に放棄しているのではないか、と責められても仕方ないでしょう。


 日本人は敗戦を経て、そんなにも大きく変質してしまったのか?
 いえ、決してそんなことはないと思います。

 フランスの医師であり社会心理学者でもある ギュスターヴ・ル・ボン(1841年~1931年)という人が、こんな言葉を残しています。

 「性格の長所や短所はそれぞれの国民が継承する固有の遺産であり、それは幾世紀にもわたって海水で洗われる岩のように、わずかな表面のとがった部分が削り取られるに過ぎない」

 日本人が長年かけて継承してきた、日本人ならではの長所(と短所)。

 敗戦により、削り取られた部分は確かに小さくはありませんが、大切な根っこの部分は十分に残っているはずです。

 私はそう信じています。


 また、リシャールの詩に関しては私はもう一点、「建国以来、一系の天皇、永遠に亘る一人の天皇を奉戴せる唯一の民よ」の個所に、いたく感じ入りました。

 外国人も理解しているんですよね。
 日本が万世一系の天皇の国であることの意義深さを。

 むしろ外から見ているからこそ、より理解できるのかもしれません。

 リシャールは戦前の人ですが、戦後も同じです。
 万世一系という歴史を持った世界最古の王朝国家として、日本は世界中から尊敬を集めています。

 現在、女性宮家創設問題とともに女系天皇推進論もまたぞろ噴出してきていますが、女系推進派の皆様には、国内のみならず世界からも万世一系が評価されていることを、少し立ち止まって考えてみてほしいなと思います。


 この本では、古今東西、実に多くの外国人の日本人評が取り上げられています。

 拙ブログの「外国人から見た日本と日本人」シリーズなどで、またおいおい紹介していこうと思いますので、どうぞお楽しみに!(^o^)


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